たまです。/たま
ラを感じさせる。
「どうされました?」とその俳優が聴く。
「あ、はい。ちょっと、たまが……。」
患者役の私は口ごもりながら、手短に症状を伝えると、宮本先生とこでもらった薬袋を見せて、これと同じ薬が欲しいと伝える。
すると、看護師が部屋にある診察ベッドに横になれという。やはり、先生にたまを見せなければ薬はもらえないのだろう。ジャージのズボンを下ろして、先生にたまを診てもらう。
左側が痛む。
薄いゴム手袋をした先生が、たまを摘まんで、
「痛いですか?」と聴く。
「たまは痛くないけど、たまの下が痛いんです。」と私は曖昧に答える。
「小さいですね。」と先生が言う。
私のたまは左側が
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