たまです。/たま
だったかもしれない。
「ああ、あった、あった……。」
こんな日の守衛さんもたいへんだ。
ちなみに、たまの漢字表記は、霊魂(たま)と決めてある。
驚いたことに守衛さんが四苦八苦して、私の診察券を発行してくれたのだった。
あ、申し訳ない……。と心から感謝するしかなかった。
雨の日の暗い廊下に灯りはなく、泌尿器科の診察室まで、背の低い守衛さんが案内してくれる。
総合病院と比べたら規模は小さいが、それでも診療科はほとんど揃っているのに、今日は泌尿器科だけが診察を受け付けているのだ。
あとで知ったことだけど、明日は内科の診療日で、明後日は耳鼻科だという。十連休に対応するためにそうなったの
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