たまです。/たま
 
「あの、たまです。」と名を告げる。
「あ、たまさんですね。中へどうぞ。」
守衛さんはふたりいた。ふたりとも六十は過ぎているだろうか。私と同世代かもしれない。
八時半過ぎにもう一度電話して、看護師に症状は伝えていたが、診察の受付はまだ済んでいない。その受付をどうやら守衛室の窓口でやるみたいだった。
医療センターは休館日だから、普段の受付カウンターは閉ざされてひっそりしている。
守衛さんに保険証を渡す。
狭い守衛室のディスクトップパソコンに向かって、背の高い守衛さんが慣れない手つきで苦戦している。私の名前が変換できないらしい。
「須磨海岸の須です……。」と助け舟を出すが、余計なお世話だっ
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