たまです。/たま
 
。」なんて恥ずかしくて言えない。私が診てもらいたいのは泌尿器科の先生だけだ。
しかし、そんなこと言っても我慢できる状態ではない。
十分ばかり検索してみると、隣の町の医療センターで、泌尿器科の診察のみ受け付けているみたいだった。
え、ほんとに……? 嘘みたいだなと思いつつ電話してみる。

呼び出し音があって、休館を伝える機械的な案内音声があって、
あ、やっぱし嘘か……。と思ったら、野暮な男の声に切り替わった。
どうやら医療センターの守衛らしい。
泌尿器科の診察を受けたいと伝えると、
「八時半に先生が来ますから、もう一度電話してください。」と言う。
時計を見ると八時五分だった。

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