したい訳/たちばなまこと
 
い。身体中で感じたい。
私は五感をすませて、五感の愛をひとつずつ確かめる。身体の動き、汗、無意識に漏らす声、全ては私に向けた愛だと感じる。だからいくらでも欲しくてその愛にまみれて愛以外欲しくなくなって、もっと得るために私の愛を注ぐ。言葉、不意に吐く母音、吐息、体温、握力、水分、全ては本能と脳で生まれた感情で包まれた愛のかたちで、例え赤裸々で醜くても、私が欲しいのはむしろやはり赤裸々だから、赤裸々を注いで赤裸々をもらう。
求め合うときの瞳に中に私の瞳、その中に求めている人がいる、そんなこと、さなかには冷静に考えていないが、例えば今のように思い起こすならそうで、嬉しい循環だ。

互いに高まりた
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