再度の怪/阪井マチ
ンフレークの細片がゆるゆると揺れていた。落ち着かない思いのまま、ゆっくりと妻の名前を呼んだ。何度も呼んだが、応える声は返らなかった。名前を叫んで回りながら家中を探した。しかし妻は見つからず、そもそも彼女が持っていたものも、生活していた痕跡すらもまるでなくなっていた。
二階の寝室で物影という物影を必死であらためていると、階段の下で何か重みのあるものが落ちるような音がした。急いで下へ降りると玄関に色鮮やかな紙片が散乱していた。手に取ってみると、それはプリントされた写真であった。季節も場所も様々の大量の風景写真が、沓脱を覆い隠すほどに広がっていた。どの写真にもいつかどこかで見たことのある景色が写って
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