再度の怪/阪井マチ
 
とんど家にいた。白い器に牛乳をたっぷりと注いで、フレークをふやかして遊んでいた。
 台所で食パンを手に取りリビングへ戻ると、妻も食卓に着いていた。彼女は私の顔を見てこう言った。
「ねえ、幽霊っていうのは、こんな顔をしていたんじゃない?」
 その言葉の意味が取れたとき、彼女の姿はもうそこになかった。食卓の前にいるのは娘だけで、妻のいた場所には食事の形跡どころか椅子すら置かれていなかった。ざらついた何かが身体の奥から湧いて広がっていくような気がした。
「なあ、お母さんはどこに行ったのかな?」
と娘に話し掛けたが、ぽかんとした顔で私の方を眺めるだけで何も応えてくれなかった。白い器の中でコーンフ
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