螺旋階段を昇って/こたきひろし
 
てきた。その先にはお金で買うと言う方法以外抜け出し口は見つからなかったのだ。
私は十代の少女に私の精液の匂いを嗅がれたくはなかった。が、その匂いを女性は敏感に感じとるに違いなかった。

ある日。私は静子さんと休憩時間が一緒になった。四階の部屋に二人だけになってしまった。
彼女はその天性の明るさからか、私に何の躊躇いもなく普通に話しかけてきた。
警戒心は、感じられなかった。
「Kさん、ちょっと立ってみてください」静子さんは何を思ったがいきなり言った。「一回りしてみてください。そしてワンと言って下さい」私はその言葉に何も考えないで言われるがままにしてしまった。
すると静子さんは言った「バ
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