螺旋階段を昇って/こたきひろし
を含んだ休憩に入っていた。
独身で三十代後半だった私の性格は陰性そのものだった。勿論、女性と交際した経験はなかった。
静子さんの年齢は、私の半分もなかった。私にとってその年代の女のこは怖れの対象になってしまう。
正直言って私は女性コンプレックスのかたまりであった。若い女性を前にすると緊張してしまい言葉がでなくなってしまった。
童貞は、風俗で卒業していた。そうする以外に方法はなかった。しかしそれは自分自身を結果的な著しく傷つけてしまったのだ。運命の相手が現れるまでなぜ待てなかったのか。しかしそのチャンスの到来は一生ないと諦めるしかなかった。
でも本能と性欲はいやもおうもなく押し寄せてき
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