Universal Boardwalk/カワグチタケシ
内側が直方体に切り取られる
私の内側の真新しい空間に乾いた砂が注がれる
それは失われた楽園を主題とする宗教劇
言葉がそれ以上先に行けないところ
そこにその硬いテーブルがある
硬いテーブルの足元のたまりに
睡蓮の花が咲いたという
二十世紀は遠くなる 人々の記憶とともに
七月
夜を歩く
風が強く吹いている
ボードウォークにつづく階段を
海水が浸している
階段は運河の底へとつづき
運河の底は雲の上へと反転する
雲の上は無風
果てしない夜が拡がっている
果てしない夜の底で
存在しないはずの風が
一匹の猫の尾を追いかけている
夜を歩く
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