冷たい七面鳥/ホロウ・シカエルボク
よ」
子鼠は震えた
「罠なら怪我をするだけで済む」「そのために死ぬようなことはあまりない」「でも心の中で死ぬと現実的にも死んでしまう」「あるいは死んだも同然というような状態になってしまう」
子鼠はますます怯えながら言った「人間はどうしてそんな怖いものを持っているの?」
「我々が人間に近しい動物、猫や犬を恐れるように」親鼠はこの説明は適当ではないかもしれないと思いながらそれでも話し続けた「人間は生命というものを恐れている」「私が思うに彼らは、自分の中の動物的な部分とどう折り合いをつけたらいいのかわからないのだろう」「彼らは自分たちの世界を絶対だと思い過ぎる」
「わけがわからないよ」「それな
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