冷たい七面鳥/ホロウ・シカエルボク
れなのにどうして彼らはあんなに独善的なのさ?」
「たぶん」「彼ら自身だってそんなことには自覚的じゃないよ、私はそう思うね」親鼠は天井裏の僅かな隙間から下を眺めた「さて」「そろそろなんとかしてあげなくちゃいけないな」
親鼠は二、三度同じ場所で跳ねて調子をつけると、物凄い勢いであちこちを走り回った、子鼠も本能的にあとに続いた
俺は滑落した姿勢のままで寝床に帰ってきた、ジョン・レノンが核分裂のシステムを解説しているみたいな態度で聴き慣れたメロディーを歌っていた、俺は仰向けになってしばらく天井を見上げた、両手を開いたり閉じたりして思い通りに動くかどうか確かめた、そうして携帯のアラームのセットを確かめて眠りに落ちた、ジョージ・マーティンのアルバムはやはり眠るための音楽としては最高の出来だった
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