冷たい七面鳥/ホロウ・シカエルボク
 
で汚れたものを隠す、それが彼らの規律でありモラルなんだ」「もちろんほとんどの人間において、ということだけどね」


朦朧とした意識の中で俺は、二十年くらい前に住んでいたロフト付きワンルームの部屋を思い出していた、越してきた当初からエアコンの水漏れがひどくて、エアコンの下に並べていたCDのほとんどがずぶ濡れになってブックレットが駄目になった、不動産屋に相談して修理費を折半という形で業者を呼んだ―排水パイプの中に昆虫の死骸が詰まっていた、あの日、すべてが片付いてから動かした時のエアコンの風―あれはとんでもなく快適だった、俺はそれから数日をほとんど部屋から出ることなく過ごした、いろいろあってその部
[次のページ]
戻る   Point(5)