旧作アーカイブ1(二〇一五年十二月)/石村
 

君の笑顔が美しいとき

嘘をつくのは止めよう
君のまごころ 
それが君だ

枯れることのない花束をたずさへて
僕らはどこまでも生きていく この宇宙を
ちよつと愚かだけど 素直でやさしい命たち

丘の上で
川のほとりで
薫る風の中で
しんしんと降りつむ雪の中で
そぼふる温かい雨の中で
この花束をたずさへて 今日
僕らは巡り合ふ 
こみ上げてくるやうな笑顔を向け合ひながら

そしてふたつの心が安らぐ
夢見がちな天使がほつとため息をつく


(二〇一五年十二月二十五日)




  雪が囁く


しづかな 夜に きこえない 音で
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