崩落の朝、公園で。/ホロウ・シカエルボク
ば目覚めてからまだ小便をしていない、特に尿意があるわけではなかったが、といって便所に入るのを拒む理由も別にありはしなかった、木のもとを離れて男子便所に入ると、小便用の便器がそれ自体を包むように血塗れになっていた、それは数時間前のものらしく、ほとんどが固まっていた、なにが行われたんだろう…その便器に小便を垂れ流す間あれこれと考えてみたが、納得のいく状況というものが思い浮かばなかった、暴行だのリンチだの、そういったことが原因ではないようだった、それはそういう意図をもってそこに塗られたもののように思えた、夜の方が人で溢れるこのあたりでは、公衆便所でたびたびこういうおかしなことが起きる、やはり血は渇いてい
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