崩落の朝、公園で。/ホロウ・シカエルボク
 
供が駄々をこねるのと同じことだ―そういうわけで俺は、色を失くした冬の明け方、公園のベンチでこうして横たわっているというわけだ、あぶれることは不幸ではない、なにもかもが思い通りになる世界なんてあるわけもないが、少なくとも下らない出し物に参加せずにいることだけは出来る―何時間かそこで眠っていたみたいだった、酒を飲んで記憶を失くした、というわけでもないようだ、身体に酒によるダメージは感じられなかったし、服も汚れていないから、きっとなにか他の理由で思い出せないんだろう、夜の散歩にでも出かけて、疲れてひと休みしている間に眠ってしまったのかもしれない、一時期暗いうちにまったく眠ることが出来なかった、そんなころ
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