崩落の朝、公園で。/ホロウ・シカエルボク
 
るようには思えなかった、とっくに廃止されたはずのロボトミー手術が、術式を変えて盛大に行われているのではないだろうかという気さえした、そこには彼らが彼ら自身の感覚でとらえて、磨き上げたものなど微塵もなかった、ただ既存のスローガンに則って傀儡のように動いているだけだった、人の近くをうろついてさえいれば食うには困らないだろうと信じている鳩のように…そんなわけで俺は鳩という鳥がどうも好きにはなれなかった、でもだからといって片っ端から捕まえて捌いてやろう、なんていう気にもならなかった、ああ、嫌いだな、と思って静観するだけだった、気に入らないからといって感情的になってしまうなんていうのは、年端もいかない子供が
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