エナガのうた/Wasabi
て眠ってしまった。
朝になっても体調は良くならなかった。頭はクラクラするし、昨日のショックで雑木林に行く元気など本当になかった。カゴにこもっていると、雑木林から飛んで来たムクドリたちが、リンゴをよこせ!リンゴの蜜を持っているだろう!今すぐよこせ!と、ギャーギャーわめき散らしている。その声は狂っていた。昔みた悪夢にそっくりな声だった。
わたしがリンゴを置いて行ったのが間違いだったのか?その後もルリビタキさんが姿を見せることはなかった。ただもう不気味なカラスも、うるさいムクドリたちも忘れて、振り返り、覚えておきたかったことは、幸せなうたを唄おうよ、という気づきだった。
ことだまを信じ
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