騒乱、喰らい尽くして/ホロウ・シカエルボク
 
てしまうこともある、とくに若いうちは―わかりすぎてしまって一歩も進めなくなることもある、でもその奥がまだあることに気づけば進むことが出来る、とにかくなんでも、何度でも試してみることだ、まだ生まれないメロディーのコードを探るように…ある瞬間に突然わかりはじめる、それはダムに空いた小さな穴だ、決壊すれば気も狂わんばかりの衝動がやってくる、たったひとりの人間の内で始まる騒乱だ、たくさんの血が流れる、たくさんの死体が転がる、それは何時かにもあったことだ、おまえも本当は確かに知っている光景だ、そうしたものの一切がおれたちを構築している―おれは血塗れになりながら新しい獲物に喰らいつく、歯を突き立て、顎に力を込
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