騒乱、喰らい尽くして/ホロウ・シカエルボク
 
はずもない、それは変りようのないものに盾突く愚行というものだ、たとえば―運命とか―なにを見ようとしているのか?この世とは、ひととは、おれ自身とはなんだろうと思い始めたハナタラシのころから?おれはそれが一言で言いきれないものだとかなり早い段階から知っていた、だからこそ踏み込みがいがあるものなのだと―川砂のなかに眠る金の欠片を探すようなものだと…どれだけ漁ればいいのか、どれだけ溜め込めばいいのか、どこで尽きるのか、尽きたものはなにかのきっかけでまた生み出されるのか?なにもわからないことこそが真実だと思った、安易な悟りや成熟にはハナから興味がなかった、誠実さは妥協じゃない、人生は越えられるハードルだけを
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