最後の一羽/やまうちあつし
 
うなるか、とか
 それらのことは
 取るに足らないほどに
 まぶしい
 まぶしい
 朝が繰り返されました
    
 私も〈遠いお手紙〉に
 そのことを記そうと思います
    
 けれども
 届けるあてはありません
 私の旅の終わりは
 一族の旅の終わりです

 リョコウバトの終着地が
 ヒトと語らう朝というのは
 悪くない締めくくりではないですか

 それではそろそろ
 おいとまをいたします」

そう言い終わると
マーサは音もなく
枝からこぼれ落ち                    る

地球は静かに
それを抱き留めた

     
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