最後の一羽/やまうちあつし
うなるか、とか
それらのことは
取るに足らないほどに
まぶしい
まぶしい
朝が繰り返されました
私も〈遠いお手紙〉に
そのことを記そうと思います
けれども
届けるあてはありません
私の旅の終わりは
一族の旅の終わりです
リョコウバトの終着地が
ヒトと語らう朝というのは
悪くない締めくくりではないですか
それではそろそろ
おいとまをいたします」
そう言い終わると
マーサは音もなく
枝からこぼれ落ち る
地球は静かに
それを抱き留めた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)