聖堂/ホロウ・シカエルボク
り込ませ、さらなる底を目指す、そうしていればいつかめぼしいものを見つけることが出来るかもしれない、咲き乱れる陰鬱な色合いはひどく気分を落ち込ませる、内側から切り刻んでやりたい衝動に駆られながら潜水艇のように深く深く沈んでいく、深度が増していくにつれて薄暗い、洞窟のようなムードが漂ってくる、打ち捨てられた過去の残骸は次第に少なくなり、やがて見えなくなる、そこにあるのはなんてことのない、ただの虚無だった、ぼんやりとただ、なにもないことが存在しているだけだった、俺の生身がいま部屋で味わっているものと大差なかった、人生は鶏鳴に塗り潰していく白紙のノートだろうか、そんなことを考えるともうどうでもよくなって、
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