FADE OUT(そのなかにはっきりと聴こえるいくつかの音)/ホロウ・シカエルボク
どんな納得も生まれることはないんだ、ただ使い古されたきれいな言葉がずらずらと並べられるだけさ、見てくれはいいがたいして味もしないビュッフェのテーブルのようなもんさ…お前は頼り過ぎてるんだ、自分が信じているそれに―裏切ることもあるから言葉なんだってことを絶対に忘れちゃいけない、どんな巧妙な文脈を構成して見えたところで、お前が描こうとしているものがそのままテーブルに並ぶわけじゃない、お前自身でさえそのことを少し誤解しているかもしれない、いいかい、何も信じちゃいけない、そこに信じるに値するものはなにもない、賭けるボードのないルーレットのようなものだ、ただただチップだけがばら撒かれていく、その虚しさはもは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)