また会える?と彼女は聞いた/ホロウ・シカエルボク
ルームのベッドに女を寝かせて
医者に見せる必要があるかどうか考えた
取りあえず汚れた顔をきれいにしてやろうと思って
洗面でタオルに湯を染み込ませた
気を失っているのか眠っているのかわからなかった
ともかく丁寧に顔を拭いてみると
特別傷があるようではないみたいだった
酒の匂いがひどかったから
悪酔いをしたのかもしれないなと思った
そのうち静かな寝息を立てるようになったので
おれは安心してもうひとつのベッドに横になった
子守歌が聞こえた気がして目を開けると
さっきの女がおれの顔を拭いていた
「あんたね」と彼女は言った
「他人の面倒みてる場合じゃないじゃない、こんなに
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