また会える?と彼女は聞いた/ホロウ・シカエルボク
なに顔を腫らして…」
「タイミングだよ」とおれは口のなかでもごもごと言った
「おれは目を覚ましていて、あの路地を歩いてた、きみはべろべろになって、あそこで寝てた―だからおれがとりあえず面倒をみたのさ」
女は訝し気にしばらくおれのことを眺めて
「どうして起き抜けでそんなに長く喋れるのよ?」
「きっと頭のなかでいつも喋り続けてるせいだ」
「面倒臭いやつだって言われたことは?」
「たくさんある」
「でしょうね」
「気分は良くなった?」
「他人の面倒がみられるくらいにはね」
「そりゃよかった」
「喧嘩でもしたの?あなた」
「喧嘩っていうかなんていうか…」
「喧嘩じゃなかったらど
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)