世界/由比良 倖
震えてて、これが終わったら、って言おうとして、
指を上げかけたんだ、とても、震えてて、何もかもが終わったあとは、
美しいと思っていたんだ、(あれもこれもどれもそれも)、流れ去ったあとは、とても、美しいと思っていたんだよ、あれら太陽は、空の全てから降ってくるもの。
3
世界は間違っている、自明なこととして、始まりは間違いだった、だから僕たちは壊すしかない、
「ねえ、ねえ、起きてよ、君、世界は間違っているんだよ、」
夜は朝には、朝は、夜には、それぞれそれぞれ、狂ったように風が吹き、
いずれにせよ、いずれにせよ、時間など無いのだし、何にせよ、私たちは死んでいるのです、
自明、自明
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