御免よ、僕には気づいてあげることが出来なかった/ホロウ・シカエルボク
のせいで一日中なにもやる気がしないとかそういうこともあるだろうし―たとえば誰かがもうこんな汚い世界なんか見たくないんですとあなたに言ったとしたら、あなたはそいつの両目を潰すだろうか?そして、これで見なくて済みますよと優しく言うだろうか?僕が言いたいのはそういうことだ―そんなわけで僕はそれをある日生じたちょっとした肉体的なノイズという程度の認識で聞き流しながら結構な日数を過ごした、誰にも相談しなかったし、また悩む必要もなかった、だってそれは凄く小さな悲鳴だったのだから…それが僕にとって深刻な問題となったのは、始まった時と同じようにある日突然それが聞こえなくなってからだった…ああ、よかった、と、最初僕
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