ラスト・ワルツ(路上のソワレ)/ホロウ・シカエルボク
、わたしは、負けたのだ、と―戦うことに、戦い続けることに負けたのだ、追い求めたものを手に入れることが出来なくて、いらだって、腹を立てて…悲しくなって見失ってしまったのだ、滑稽だわ、と彼女は思った、こんなことならなにも追いかけずにさっさとここに飛び込んでくればよかったのよ―彼女は自分であったものから目を離し、もう一度こちらに照りつける太陽を見上げた、自分の亡骸を撮影し続ける連中のことはまるで気にならなかった、だって、そういうものだもの、どこのどんな出来事にだって、そういう連中はついて回るものだもの…彼女はそういう連中のことについて、そこら辺の人間よりはずっと多くのことを知っていた、わたしが求めていた
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