ラスト・ワルツ(路上のソワレ)/ホロウ・シカエルボク
いや、ある意味では容姿のせいと言えなくもないけれども―でもそれは、彼女でなくてもかまわないものだった、そこに転がっているのが誰の肉体であったとて、それがセンセーショナルな出来事であることに変わりはないだろう―わたしはどうしてこんなところで衣装を着て踊っていたのかしら?彼女が最初に考えたのはそんなことだった、実は彼女は、ここ数ヶ月の間、ずっとそうやって街路で踊っていたのだった、そしてその数ヶ月の間、彼女の心と身体の間にはいくつものフィルターがかかり、彼女が彼女であることはもはや不可能な状態だった、ああ、なるほど、と、彼女は目だけで自分の横に転がっている自分であった肉塊を眺め、ひとつの事実を悟った、わ
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