流星の涙/犬絵
 

かえりたい
かえりたい

かえりたい
のか
わからない

たったひとりで
困らずに
生きてゆき
流れゆく



悪者と
呼ばれたむかし
そんなことも
なかったけれど
なぜか
悪者と
呼ばれていたわけは

わからない

わからないけど
みられる熱い
まなじりだけは
刺すように
感じられ

それは
熱く
あつくあつく
見守る瞳や
引きつらせた
ほお

哀しみの
夜まで闘った
命のことさえ
みないふりして

ポタリ
ポタリ

血の匂いが落ちる
夜のいたずら

困る
あの世界を
かき乱すほどの

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