狂った文字盤の針にもグルーブは隠れている/ホロウ・シカエルボク
 
俺がやろうとしていることはいつだってそういうことなのさ、言葉を羅列することで、ひとつの絵を描こうとしているようなものだ、名前は必要ない、書きつけられたものたちがそういうことは勝手に語ってくれる…それは回を重ねるごとに厄介なプロセスを要求してくる、厄介な速度、厄介な熱量、厄介な階層、厄介な結末―あいつがその奥底でどんなことを望んでいるのか俺は知らない、ただあいつが望んでいることのいくつかは、俺によって叶えられる、そのことを知っている、だから長いことあいつとのつきあいは続いている―おそらくは俺がペンを持つことが出来なくなるまでそのつきあいは続くだろう―ある時、俺がそんなふうに書き続けている最中に、あい
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