狂った文字盤の針にもグルーブは隠れている/ホロウ・シカエルボク
 
ちがいってことさ…それはやっぱり時々は俺の精神にとんでもない軋みを起こしたりもするけれど、俺はずっとそいつを飼いならしてきたんだ、もちろん、こうして書きつけることによってだ…そいつは、吐き出されることを好む、そいつは、ぶちまけられることを好む、吐き出され、ぶちまけられて、些細な思い出のようにそのまま忘れられていくことを好む―あいつはもしかしたら、俺の身体の中に潜んでいるなにかが気に入らないのかもしれない、生まれてきたものの、どうしてもそいつをよしとすることが出来ないのかもしれない、あるいはもしかしたら、初めから捨てられることを目的に生まれてくるのかもしれない―彼らを彼らのまま書きつけることだ、俺が
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