詩の中の『私』/腰国改修
 
る友人は私を変わっていると評したのだ。で、私は苦笑しつつ、それは自分のことを書いた詩ではないよというと、友人は少しムッとして。『なに?じゃあ嘘を書いているのか?』と。私は『いや、いや、嘘を書いてはだめなのか』と。すべての詩が真実だと思っている純粋な友人を何か傷つけたようで私は黙ってしまった。純粋な読み手である友人にとっては書き手とは違う制約や規範のようなものがあるのだなと思った。もちろん、書き手の中にも『私』といえば『私』という正直な人もいる。何がどうというわけではないけれど、私が体験した『私』の話。

最後に幼女がよく、自分のことを名前で呼んだり、話している相手が自分の友人や環境をまるですべ
[次のページ]
戻る   Point(0)