穴だらけの心は破れたフィルムの夢を見る/ホロウ・シカエルボク
 
てしまいかねない、それはだれかに見せるためのものじゃない、それは自分だけのために存在するものだ、コマーシャルを打って大声で呼び込んだりするようなものじゃない、道端の石の配列を変えるみたいに差し出せばいい、それ以上のことは受け取った誰かが適当に付け足してくれるさ―そしてそれはことらからコントロール出来るようなものじゃない、だから俺は知らないふりを決め込むだけなのさ、溝だって上手く生まれなければ円滑に水を流すことだって出来ないだろう?―なあ、ところで俺、近頃はこれまでにないくらいぐっすりと眠ることが出来るんだ、明け方近くまで一度も目覚めることなく、ぐっすりとね…そして筋書きのおかしい夢を毎日延々と見て
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