穴だらけの心は破れたフィルムの夢を見る/ホロウ・シカエルボク
 
見ているんだ、きちんと覚えていたら短編小説のひとつでも書けるかもしれないけれど―あいにくいくつかの場面を断片的に記憶しているくらいなんだ、なぁ、そういえばさ…夢の内容をきちんと覚えてばかりいると、現実との区別がつかなくなって頭がおかしくなっちまうって話だぜ、そういう意味では俺は少し覚え過ぎたのかもしれないな…?もう少し書いたら眠るつもりだよ、俺は最後のフレーズを探さなくっちゃいけない、それはここまで書いてきた言葉の中にはないけれど、ここまで書いてきたものに非常に似ているのは確かだろう―そしてそれそのものには大した意味はない、俺は言葉に意味を持たせたりしない、パズルのピースはそれ単体だとなにが書いてあるのかわからないだろう―?全部繋いでみて初めてなにが書いてあるのか知ることが出来るんだ…誰かが前に歌ったみたいに言葉が本当に窮屈だというのなら、俺はこれをごみ箱に投げ入れてそれきり何も書かないのが正解なんだろうな―読み違えるなよ、言葉尻を拾ってるだけじゃたぶんこいつは理解出来ないぜ…。


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