穴だらけの心は破れたフィルムの夢を見る/ホロウ・シカエルボク
 
と眺めているだけさ―酷く咽喉が渇いて、何度も水を飲んでしまう、そいつらが身体に留まっているという実感がないんだ、胃袋の中で予定外のどこかへ消失しているような気がする、どこかに穴でも開いているのか?なんて、下らない冗談を言ってひとりで笑う―穴が開いているのはそっちじゃないはずさ―表通りに面したこの窓から感じられる外界は今夜は驚くほど静かで、俺は戸惑ったままこれを書いている、きっと、そんな様々な小さな誤差が、俺にこんなことを書かせているのに違いないさ…ずっと、やり足りない気分が続いているんだ、阿呆の真似をしたまま眠るわけにはいかない、でないとここに腰かけている肉体には何の意味もないということになってし
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