穴だらけの心は破れたフィルムの夢を見る/ホロウ・シカエルボク
ないのはそんなもののせいだってことにしておくよ、妙な意地のせいだなんて、考えたくもないしね―毎日道化を演じ過ぎて、ウソ笑いが顔から離れなくなってしまった、おかげで本来なら一生関わることもないような程度のやつらの相手までしてやらなくちゃいけない…神様の仕業は地味に神経をざわつかせるよ…すぐに髪が汚れてしまう、すぐに顔が汚れてしまう、すぐに声が枯れてしまう、すぐに指が汚れてしまう、時にはちょっとした擦り傷なんかも出来てしまう、いつも大量の汗を掻いて―おまけにたいして報われることもない…ホルマリンの瓶から這い出て来たみたいな連中の鈍重なレースを、数合わせに無理矢理押し込まれた観客のような目をしてずっと眺
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