運命のまばたきのしかた/ホロウ・シカエルボク
そいつがどうしてまたここに来たのかは分らないけれど、皮肉にもその時にこの農場に世話になることになったんだな、嵐の夜だったよ」「運命ってやつね…」俺は頷いた、それから、門から見える一番奥の母屋を指さした「あそこの二階だ、事件が起こった場所はそのままになってる―当の主がそのあと自殺してしまったからね」「で、この門の鍵は俺が持ってる」女が目を丸くした「―どうして?」「農場はここの亡霊のもんだが、土地は俺の親父のものなのさ、土地貸しってやつだよ」「で、親父が死んで、俺がこの土地を受け継いだ、曰くのある土地だからね、どうにもしようがなかった…俺は別の仕事をしていたんだが、この不況で首になってね…気は進まない
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