ジャンケンを/こたきひろし
 
すかこれ?」
僕は怪訝な思いを感じて訊いてみた。しかし担任は何も答えなかった。訳ありを僕は察してそれ以上は訊かなかった。
みさよは僕の幼馴染みで初恋の相手でもあった。けれどお互い成長するにつれて何となく疎遠になっていた。それでも地元の同じ高校に進学してはいた。
でもクラスは違っていたから、担任でもないのに何だろうと不思議に感じたのだ。

「谷垣、
今日休みだったんですか?」
僕は続けて訊いた。
すると担任は「ああ体調を悪くしたみたいだ」
と言った。
「わかりました。帰りに寄って届けます。」
僕はなぜか悪い予感と複雑な思いになりながらも引き受けた。

それから学校前の停留所
[次のページ]
戻る   Point(2)