いつかすべては使われない部屋に放り込まれるけれど/ホロウ・シカエルボク
 
。街灯たちが矢継ぎ早に目を覚ます、完全に陽が暮れてしまう前に、心があらわに晒される暗闇に包まれる前に―隠しながら生きていくことが大好きなやつらのために秩序は存在している。公園をあとにしてあてもなく歩いているとようやく温かいと書いてある自販機を見つけた、でもその時にはもうどんなものも飲みたくはなかった、欲望のほとんどは気まぐれとまぼろしで出来ている、そしてそうでない欲望のために俺の心臓はいまでも動いている、ああ、たくさんの言葉で俺の人生は塗り潰された、なのにまた新しい一行を書こうとしている、ひとりになりたいのか孤独になりたいのかずいぶん時間が経ったいまでもまだ分からない。だからこうして街の中を漂って
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