いつかすべては使われない部屋に放り込まれるけれど/ホロウ・シカエルボク
っているのだろう―不運な誰かの悲鳴を代弁しながら救急車が交差点を走り抜けていく、今日の死亡者数という掲示板のことを俺は思い出す、あれが見たい。あれはいまでもあるのだろうか、もうしばらく目にしていない気がする、身も知らぬ誰かの死が退屈凌ぎになるなんて素敵なことじゃないか。今日はもういい、もう充分だ、俺は家に帰ろうと思う、夜になってしまえば視界のことなんかどうだっていい、そろそろ晩飯の時間だし、寝る前にはシャワーも浴びておきたい、そうさ、片付いてることなんていつだってそんなにはないんだ。
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