いつかすべては使われない部屋に放り込まれるけれど/ホロウ・シカエルボク
 
滅を始めている、クラクションが鳴らされる、誰もが誰かに噛みつきそうな顔をしている、でも本当に噛みつくやつなんてひとりもいない、安っぽいハッタリだけで生きていくやつら、相手にしたところで何の得もない。太陽が翳ると途端に冷たい風がペラペラとまくし立てる、身を縮めながら一番近くの自動販売機まで歩いたけれど、そこにはまだ温かい飲み物は用意されてはいなかった、照明を消しているので環境に気を使っていますとぬかす四角い箱、ここにもハッタリが横行している、ムキになって電源プラグを引き抜いたりはしない、どうせ世界は嘘で出来ている。公園のベンチに腰を下ろして短い詩を書いた、いまのところ誰に見せるつもりもないものを。街
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