いつかすべては使われない部屋に放り込まれるけれど/ホロウ・シカエルボク
はそいつが自ら流れのなかに飛び込んで掴み取ったものだった、いまそんなものを持っているやつはほとんどいない、誰もがあてがわれたものを上手くこなすことだけを考え、その出来如何で自分の価値を設定している、真面目さもいびつさも強さも弱さも、すべてその枠の中だけで設定されて、それで何の問題もないというふうに出来上がっている、俺はいつでもその枠から外に出る、その中での規則に従うことを拒否する。枠の外に出て、にやにや笑いながらそんな浅ましい踊りを見物しているのだ、それはテレビで頻繁に歌っているアイドルグループと大差ないものだ、教えられたままに踊り、誰も本当に声を上げてなどいない。横断歩道を渡る、シグナルは点滅を
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