ジェニーは夕暮れのあとで/ホロウ・シカエルボク
 
どこかにミスがある、そんな人間だった、いまでは、静脈を見つけることは上手に出来るけれど―夜までには回復するだろうか、と天井を見上げながらジェニーは考えた、顔馴染みの売人に少しサービスをして、上物を分けてもらうことになっている、すこし頭を動かしてみる、駄目だ―欲をかかずに夜まで大人しくしてればよかったんだ、あんな、いかにも人を騙してばかりいるような顔をしたいけ好かないパンク崩れから、なにで出来ているのかもよく判らないようなものを買うなんて!いまになって考えればそう思う、だけどあの時には、もうそんな風には考えられなかったんだ、あのカネを使わなければ、今夜はサービスなんてしなくてもよかったのに…ジェニー
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