とおくて近い天国の詩/青花みち
あなたが作ってくれたオムライスは変わらずわたしの好物で、特別に優しいのは終わりが垣間見えるから。見送りに来たあなたから逃れて、揺られて、揺られて、降りて、そこはわたしの街。あなたが追いつけないわたしの街。すっかり馴染んだ帰り道をたどりながら、細い路地へと伸びる影を踏み、振り返る。切り離された路地の向こう、大通りとわたし、いくつもの窓を数えてさようならの距離を測った。
また帰るねなんて挨拶はいつも上滑りで終わり、わたしのほんとうの言葉はひとりぼっちの部屋で留守番をしている。あと何回会えるかなんて指を折るくらいなら、全部切り落としてしまいたい。
あそこは天国なんです。みんなが微笑んでいるんです
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