子供のころから若さが嫌いだった/ホロウ・シカエルボク
 
ら若さが嫌いだった、おかしなことにそんな時代はとっくに過ぎ去った今でさえ、口をポカンと開けてしまうような若さに出っくわすことがある、それは子供じゃなくても持っている若さだ、年齢の問題ではない、おろそかな経験によって養われるおろそかな若さだ、俺は子供のころから若さが嫌いだった、まるで年寄りのような一〇代を謳歌してきた、情熱ではなかった、誰かが俺の口の端に引っ掛けた釣針のことがずっと気になってそれどころじゃなかった、一〇代特有のむせかえるような熱気はハナから持ち合わせちゃいなかった、俺は感情に頼ることを良しとしない、だからいろいろなアウトプットが必要になった、俺は若さをある程度乗り越えていて、欲しかっ
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