子供のころから若さが嫌いだった/ホロウ・シカエルボク
武器がどのようなものか知らない、若さはそれが一度崩れたとき、どうしたらいいのかまるで判らない、思えば俺が若さが嫌いなのは、そんな危うさのせいかもしれない、昔なにかの本で読んだ一節―一七才が人生で一番美しい時だなんて思わない―それは本当だ、一七才であることなど人生においては大した意味を持たない、若さは勢いを信じてしまう、夢中になってのめり込めることこそが本当だと信じてしまう、でもそれは一過性の熱病のようなもので、熱は必ず平熱に戻るときがやって来る…その時に若さはみっともなく狼狽する、いままでこれでうまく行っていたのに、いつだってそう出来ないことなんてなかったのに―若さは手段を知らない、ひとつの道が塞
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