からっぽの世界に小石を投げ込む音を椅子に腰を下ろして聞いている夜中/ホロウ・シカエルボク
く、そして
願望というにはとりとめもなさ過ぎた、いちばん落書きに精を出す子供の描くヴィジョンのようになにかもわからないような曖昧な線の連続だ
どうしてなんだろう、そんな絵をずっと眺め続けているみたいなこんな気分は?
濡れることも乾くことも、子供のころからすればずっと慣れているのに
何度繰り返しても必ず、理由のわからない感覚というものが確かに存在する
線が曖昧過ぎて輪郭が釈然としないんだ、と俺は、ある種のイメージにとらわれたまま
それが結論かどうかもわからないまま牛乳に浸したグラノーラを少しずつ齧る、そうだ
まだガキの頃にいつも、硬いものを齧るときに、齧られている自分を想像してたっけな
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