からっぽの世界に小石を投げ込む音を椅子に腰を下ろして聞いている夜中/ホロウ・シカエルボク
けなあ
あれは、予感だったのか、あれは、予知だったのか、あれは、あらゆる結論だったのか
いずれにしても俺はそれをやはり解答としては理解していない
明日は目覚める時間が決まっているから、スマートフォンのアラームにささやかな運命を
幾つかの数字を入力して眠る支度をすることにしよう
ノイズ・ミュージックを静寂だと感じるようになったのはいつごろからだっただろう?
古い友達とのなれそめを思い出そうとするみたいに少しの間そんなことを考えていた
答えを出す必要などないのだということに気づいてから疑問符はさらに増えた
いつかすべてを思い出そうと目論んでいる記憶の断片を壁に貼り付けるように
浮かんでは消えて行く程度の連中がウスバカゲロウみたいにはらはらと漂っている
もう少ししたらきっとあらゆることが粥のように溶けて、混ざり合ってぼんやりとする
そうして俺は短い眠りにつくだろう、翌朝目覚めたときには
今日こんなふうに思い巡らせた単語のすべてはただ羅列された記号のように見えて
そのほとんどのことは意味さえも失くしているだろう
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