台風と灼熱とゲリラ豪雨/ホロウ・シカエルボク
 
ね、と二人の女はすぐに賛同した、夢って何?と俺は訊いた、写真を撮って欲しいの、と、シャギーが説明した、「あたしたちがシテるところを撮って欲しいの」俺は軽く面食らって目をしば立たせた、「だけど俺、写真なんか撮ったことないぜ」「いいのよ」とロング、「スマホのカメラでいいの、とにかくたくさん撮って、それをあたしたちに送って」「マジかよ」「マジよ」「お願い」―馬鹿げていた、そんなことを最後まで理性的に行える自信がなかった、でも彼女たちは本気で願っていた…終いには根負けして受けてしまった、それで俺たちは豪雨の中を一番近いホテルまで走った、ずぶぬれになったので順番にシャワーを浴びた、「じゃあ、あたしたち始める
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